25-1

 握手会場に来ていた車椅子の女の子に向けて、歌を歌う王崎タカト。彼が女の子の手を引いた瞬間・・・なんと歩けないはずの女の子が立ち上がったのだ。タカトが歌うのをやめた途端倒れ込んでしまうが、たしかに自分の足で立ち上がれたことに、もっと歌を聴かせてほしいと涙を流しながらタカトに懇願する。陸上部だった彼女の「また走れるようになりますか」、という質問に対しタカトは「心に火を灯し続ければきっと・・・」と答えるのだった。
眼前で起きた奇跡のような出来事に佐野栞は驚愕する。パフォーマンスではないかと疑う軽井沢ねねだが、栞を含む会場内の全員から、タカトに向けられた眼差しに異様さを感じる。

 握手会が始まった。王崎タカトを目の前にして大騒ぎの栞。その後ろに思い詰めた表情で並ぶねねは、先程のライブで見た光景と過去の記憶を思い出していた。色々考えを巡らせているうち、ついにねねの番が回ってくる。タカトはねねに笑顔で話しかけながら、突然衝撃的な事実を告げた。

25-2

「君のご両親を殺したの・・・実は俺なんだ。」