30-1

王崎タカト暴行事件から数ヶ月後。全治2ヶ月もの大怪我を負ったタカトだったが、ライブツアーでの復帰以降も彼の人気は留まることを知らず、ますます加熱していく一方だ。今や老若男女からの支持を獲得し、年末には著名な音楽賞の受賞が決まるなど、社会現象と言えるまでに燃え広がっている。


30-2

一方、暴行事件の加害者として汚名を被った速坂恭一。頼りにしていた榊正典には拒絶され、チームのメンバーも何人かが離れていった。タカトとは対象的に、どんどん孤立を深めていく。フードを目深に被り、独り軽井沢家の墓の前に佇む恭一。その表情には、冥い決意が満ちていた。