ある刑務所長の手記―伊勢ともか先生作品ファンサイト

裏サンデーにて連載中(毎週金曜更新)の漫画「懲役339年」のファンサイト。登場人物・用語や考察など。

登場人物(劫火の教典)

麻生鷹司

麻生

 光光会幹部。教祖・陶山大光の「聖主」に次ぐ「導師」の地位におり、信者たちの修行を指導している。信者曰く、めったに人を褒めない性格。宣伝部に所属し教団の知名度を上げることに非常に力を入れ、教義に反しない限り書籍や音楽、TVなどのあらゆるメディアを介して光光会の名を拡めていった。このように組織への貢献は大きいが、劫火の教典が奪われた際にはあっさり陶山を裏切り、松浦駿たち3人の信者とともにシシバ側につく。軽井沢夫妻放火殺人の犯人として警察に自首し、死刑囚として服役して七年後、他3人と同日に死刑が執行された。


陶山大光(すやま たいこう)

陶山大光 幼少期陶山ミツ

 宗教組織「光光会」教祖であり絶対的存在。信者たちからは「聖主」とも呼ばれ、天照大神(あまてらすおおみかみ・日本国民の総氏神、太陽の神)が憑いたことによって神通力を持つとされる。時折神託を授かることがあり、その時には発狂したかのような神懸かりを起こす。ぎょろりと見開かれた眼など恐ろしい顔立ちをしているが、対面した軽井沢浩二曰く意外と気さくな人物のよう。ボソボソと非常に小さい声で話すので、近くにいる信者が言葉を代弁する形で伝える。

 本名は陶山ミツ。49年前に神道系新宗教「真教あまつち」の教祖・半田新治の娘として生まれた。教義上の理由で父母は籍を入れていなかったため、父とは別姓である。あまつち流の価値観によって教育を施された彼女は、幼いながらに論理的思考の持ち主であり、家が宗教組織であることから受ける中傷に対しても毅然とした正論で返すような子供だった。ある出来事をきっかけに「神の子」として名を馳せ、あまつちを継ぐのは彼女であろうと誰もが思っていたが、そこで父と信者の間に腹違いの弟がいることが判明。未だ男性優位の価値観が根強い地域だったこともあり、彼女は母とともに地方の支部へ追いやられてしまった。
22歳のとき修行中に天照大神の啓示を受け、それを期に周囲には彼女を慕う信者たちが独自の派閥を形成。あまつちの教義を独自に解釈し「鬼道」として信者に説いた結果、父から邪道とみなされ真教あまつちを破門となる。このとき陶山ミツは28歳であった。彼女は自らを慕う信者たちを連れて独立し、「光光会」を設立。名を陶山ミツから陶山大光に改める。
組織の拡大に重点を置いた「光光会」は若者を中心に信者数を増やしていき、彼女が44歳のときには5万人を突破。そこで彼女は政界への進出を決断、「ひかりの党」を立ち上げ、自らを含む12人の候補者を擁立し参院選に打って出た。しかし結果は全員が落選という大惨敗で、陶山大光は錯乱してしまう。それを止めたのは、ある幹部が口にした「世界を正す力」の話だった。この「世界を正す力」を欲した彼女は、調査の結果「劫火の教典」、そしてそれにまつわる遺跡を発掘していた軽井沢浩二に辿り着く。

 「劫火の教典」を手に入れた彼女は、力を得るための人柱として神賜の儀で狐島弥月を刺殺。ところがその手順が間違っていたため力を手に入れることができず、儀式は失敗に終わってしまう。劫火の教典を失い、松浦たち幹部にも裏切られてしまった彼女は暴走、信者たちを使って東京都内各所で毒物を用いた無差別大量殺人を起こす。そして自らは壁に『天照再誕ス』と書き残し縊死したのだった。

灰野

灰野

 常ににこやかな表情を湛える、光光会広報部部長。組織の黎明期に入信した信者である。宗教においてトップダウン(組織の上層部が意思を決定し、それに下の者が従う管理方式)であることが、結束を高めるために最も重要であると理解しており、そのため光光会における教祖・陶山大光の存在が絶対的だという演出を徹底して行った。

松浦駿(まつうら はやお)

松浦駿

 光光会第4支部(文化部)副部長。組織の重要なポストを占める人物の一人で、軽井沢浩二を聖主・陶山大光と引き合わせた。文化活動を主とする支部に所属しているだけあって、鑑暮遺跡や空白の四世紀など日本の古代史についてそれなりに詳しい。神賜の儀において、陶山大光の傍に位置し陶山の言葉を代弁するなど重用されていたようだが、後に裏切りが判明。「劫火の教典」により力を手に入れたシシバに寝返り、共に裏切った3人の光光会信者と軽井沢夫妻の死体の後処理を行った。その後、松浦を含む4人は軽井沢夫妻放火殺人の罪を被り警察に自首している。

◆七年後
000 松浦駿

 東京拘置所に死刑囚として収監されている。髪が全て白髪になっており、瞳はどこか虚ろ。17話にて、放火殺人の件で共謀した他の元光光会信者3人と同日に死刑が執行された。しかし執行直前の彼は余裕の笑みを浮かべるほど異様に落ち着き払っており、また最近は「自分は死なない」など謎の発言をしていたという。絞首刑により、8月2日午前9時52分死亡。


狐島弥月(きつねじまみづき)

狐島弥月

 軽井沢浩二による考古学の授業を受講している学生。学籍番号105064文学部2年。真剣な受講生のいない考古学の講義で、一番前の席に座り唯一真面目に授業を受けている。コミュニケーションが苦手らしく、興味のある事柄については非常に矢継ぎ早に話し、笑顔も一見不気味。”光光会”の出版した本を読んだことがきっかけで教団に入信しており、第四支部(文化部)の青年部に所属、そこでは普段のオドオドした様子とは打って変わって非常に落ち着いている。”劫火の教典”の力を得るための”神賜の儀”において、人柱として陶山大光により刀で胸を貫かれて絶命。その性格ゆえずっと独りだった自分に居場所を与えてくれた光光会に心から感謝しており、軽井沢浩二を教団に引き込んだことにも悪意は無く、人柱として殺されることに対しても本望であったように思われる。


刑務所長
H.N. 弾丸



Web漫画 ブログランキングへ
伊勢ともか先生 Twitter
Web漫画速報 RSS
  • ライブドアブログ